脳と心のエトセトラ

vol.78 光の心理学を活かしたインテリア

update:2008.2.15

地球上に棲むすべての生物にとって、生命力の源となるのは太陽です。そして私たち人間は、大地を温め、作物を育む太陽の光に、古くから安心感や期待感を見出していました。そのため人間の本能には、光の差す方に進もうとする「向日性」というものがあるのだそうです。反対に、明るい場所から暗い場所を見ると本能的に不安や危険を覚えてしまうため、そこへは進みたくないと判断してしまうともいわれています。この光に対する心理効果を活かして、家の玄関から居間までの照明演出を考えてみましょう。

まず、玄関はほどほどの明るさに照らします。そこから廊下に進むにつれて、照明の照度を徐々に高めて行きましょう。そして居間の入り口が視界に入ってくると、そこから暖かな光があふれ出しているかのように照明を設置するのです。こうすると、無意識のうちに居間にたどり着くのが楽しみにもなるし、来客者には「どんな空間が広がっているのだろう」と期待させることができると思いませんか?

また、光の心理学を活用するうえで、照明の設置位置も重要なポイントになります。
たとえば低い位置に設置された照明は、本能的に“沈む夕日”を連想させるもの。そのため、夕暮れ時のゆったりとした心理状態を導く効果があるのです。寝室などといったくつろぎを求める空間は、照明の位置を低くし、明るさも夕暮れ時のように控えめにしておくといいのではないでしょうか。

これとは反対に、頭上に設置された照明は日中の太陽をイメージさせるため、心身を活動的な状態にする作用があります。仕事や勉強をする部屋などは、高い位置から青白い光を照らすと効果的ですね。

そして、これらの中間ともいえる、視線の位置よりすこし低めの位置にある照明は、対話を導く効果があるといわれています。家族が集い、団らんをするリビングの照明には、少しだけ低い位置に照明を置いておくといいかもしれません。

このように、光の心理学をもとに空間別の照明演出をしてみると、室内にメリハリが生まれ、生活もさらにイキイキとしたものになるはずです。ぜひ試してみてください。

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