脳と心のエトセトラ

vol.66 “脳細胞の数は増えない”は本当?!

update:2007.11. 8

皮膚や筋肉、骨など、人体はさまざまな組織で構成されていますが、それらの組織はいずれも細胞の増殖によって発達することが可能になっています。しかし、例外とされていたのが脳。脳を構成する脳細胞は、成人になってからは決して 増殖することはなく、年を取るほど減っていくものだとされていたのです。

ところがさらに、そこに例外があることが発見されました。脳内において記憶をつかさどる「海馬」と呼ばれる場所では、新しい脳細胞がつぎつぎと生まれていることがわかったのです。

マウスによる実験では、「海馬」のなかでは日々新しい脳細胞が誕生していることが突き止められ、なかでも「海馬」の一部である「歯状回」(しじょうかい)と呼ばれる場所においては、脳細胞の約0.1%が毎日生まれ変わっているのだとか。年間に直すと、「歯状回」における約36%の脳細胞が再生されていることになります。そしてさらなる研究で、人間の「海馬」やそのなかの「歯状回」においても、新しい脳細胞が生まれ続けていることが確認されました。

「海馬」の脳細胞が増え続けることで得られるメリットは、もちろん記憶力の向上や維持が挙げられるのですが、それだけではありません。新しい脳細胞には、大切な記憶はしっかり留め、嫌な記憶、不要な記憶は留めないよう情報伝達を弱める柔軟性があるのです。これによって、自分にとって有用な記憶を優先的に覚えておくことができるように。さらに新しい脳細胞には、ストレスホルモンの分泌を抑制する働きもあるといわれており、抗うつ作用が期待できるのだといいます。「海馬」の脳細胞が新しく生まれ変わるほど、脳はポジティブな状態になるわけですね。

ただし、生まれたばかりの脳細胞は大変デリケートで、十分な酸素や栄養が与えられないと壊れてしまいやすいのです。脳にしっかりと栄養を送り、生まれたての脳細胞をしっかりと育ててあげるには、”良質な睡眠”が決め手。睡眠中は脳内への栄養運搬がもっとも活発に行われるときなのです。 

快適な睡眠環境を整えて、適切な睡眠時間を確保し、いい夢を見る。それが“ポジティブ脳”を育て、ハッピーな毎日を送る礎となるわけですね。

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