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厳しかった暑さもだんだんと終わりを迎えつつあります。もうすぐ秋。そうなると楽しみなのはやはり“食欲の秋”ですよね!
日本はいわずと知れたグルメ大国。おいしいと評判のお店には行列ができ、グルメランキングはこぞってチェックされ、三ツ星レストランのシェフのお店には予約が殺到します。しかしなかにはこうした現象に対して、「なんで行列までしてごはんをたべなきゃならないんだ?」「三ツ星だからって何がいいの?」といった疑問を抱く人もいるかもしれませんね。
人が何といおうと、おいしいかどうかは自分で決めること――それは確かに間違いではありません。ですが、他人の評判や事前の情報によってその料理をよりおいしく感じることができるのも事実なのです。
味覚は五感のうちのひとつですが、視覚や聴覚といったほかの四感に比べて感度の鈍い感覚だといえます。それは料理の味が、見た目やその場の雰囲気、香りなどに大きく左右されることからも納得できることでしょう。それと同様に、世間での評判やお店の知名度といった情報もまた、味覚に大きく影響を与えるものなのです。
しかし逆説的にいえば、視覚や聴覚、嗅覚、触覚などの四感や、料理にまつわるあらゆる情報に頼りすぎているがゆえに、私たちの味覚は鈍くなっているともいえます。そもそも味覚とは体内に入れてはならないものを判断するために備わっている感覚。野生の動物は、味覚によって危険な食べ物から命を守っているのです。グルメ志向の現代人における味覚とは、その役割があまりにもかけ離れていますよね。
そのように鈍ってしまった人間の味覚ですが、これを鍛える最大のチャンスとなるのが乳児期における離乳食なのです。母乳ばかり飲み続けていた乳児にとって、離乳食とは生まれて初めて口にする料理。この離乳食で味わう味は、その子の味覚の基準として半永久的に脳内にインプットされるのだといいます。離乳食というと、あまり味にはこだわらないもののように思われていますが、大人の食事同様、離乳食もできるだけ味を追求したもののほうが、味覚形成のためにはいいのだそうです。
“食欲の秋”という文化を持つ私たち日本人は、世界一繊細な味覚を持っているといわれています。食育が話題になっている今、世界一の味覚を若い世代に残していくためにも、子どもたちの味覚形成には力を入れていきたいものですね。