脳と心のエトセトラ

vol.46 ボランティア行為の深層心理

update:2007.6.21

病気や貧困、被災などで苦しむ人々に手を差し伸べる、ボランティアという行為。困っている人を助けたいという気持ちは人間にとって自然な心理だといえますが、ボランティアをしようとする動機にはただ人助けをしたいという気持ちだけではない、深層心理が働いているのだといいます。

ボランティアは、自分ではなく他者に気持ちを向ける行為であることから「他愛行動」といい換えることもできます。他愛行動であるボランディア活動を続けていくと、それまで自分や家族にばかり向けられていた愛情が他者へも向けられることになるため、その結果、自己の問題にあまり気を取られなくなることがわかっています。

また、援助を必要とする他者に対して奉仕をしていく行為が、自己の存在意義を再認識したり、自己評価を高めたりすることにもつながるといいます。ボランティアをすることによって失われていた自尊心が回復され、ネガティブな精神状態を打ち消され、社会への適応性が高められることも明らかにされています。

こうして見るとボランティアは、一見他者のために行われるもののようでありながら、じつはボランティアをする人自身の心を救済する行為でもあることがわかります。事実、日常的なストレスによって苦しんでいる人たちがボランティアを行うことで、自分自身も援助効果を受け、ストレスから解放されることがわかっていますし、体力や気力の衰えによって自信を喪失しがちな高齢者もボランティア活動を通じて志気が高まるなどもわかっています。つまりボランティアとは、援助する者がされる者へ一方的に奉仕することではなく、物理的な援助活動を通じて心理的な救済を得られる、ギブアンドテイクの行為。街のゴミ拾いのような小さなボランティア活動であっても、アクションを起こすことによって、きっと心の充足感を得ることができるのではないでしょうか。

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