脳と心のエトセトラ

vol.44 自然や動物の“声”を聞き取れる日本人の脳

update:2007.6.14

犬はワンワン、猫はニャーニャー。このような“耳でとらえた音”を表現した言葉は、「擬音語」と呼ばれています。私たち日本人は擬音語表現を多用している民族で、日本語は擬音語の数が世界で2番目に多く、その数は英語の擬音語の4倍にもなるといわれています。
なぜ日本語には擬音語が多いのか・・・その理由は、“日本語脳”にあるのだそうです。

人間の脳は芸術をつかさどる右脳と、言語をつかさどる左脳とに分かれていて、音声の処理に関しても音楽は右脳で、言葉は左脳で処理されています。ならば、音楽や言葉以外の音声はどちらの脳で処理されているのか?

ということで、さまざまな音に関して左右どちらの脳で処理されているのかが実験されました。すると、日本人と西洋人では、脳内での音声処理に大きな差があると判明したのです。

音楽や機械音、雑音は右脳で処理され、言葉は左脳で処理されるというところまでは、日本人も西洋人も同じでした。違ったのは、動物の鳴き声や波の音、風の音、雨音、小川のせせらぎなどを、西洋人は右脳で処理していたのに対し、日本人は言葉と同じように左脳で処理していたこと。つまり私たち日本人は、動物や虫の鳴き声を言葉のようにとらえているため、擬音語に置き換える文化が根づいていると考えることができるのです。ちなみに、私たち日本人には美しい音色とされる鈴虫などの“虫の声”が、西洋人にとっては単なる騒音としか感じられないのだとか。動物の鳴き声や風の音なども、意識して擬音化する習慣がないため、それらの音を言葉で表現することが苦手なのだといいます。

この脳の違いは、日本人だからではなく、日本語を母語としていることから生まれるものなのだそう。たとえ外国人であっても日本語を母語としている場合は、動物の声や雨風の音を左脳で処理していることがわかっています。日本語で育った脳は、自然の物音に親しみ豊かな擬音語表現を作り出す、情緒的な感性をもたらしてくれるというわけなのですね。

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