脳と心のエトセトラ

vol.42 時間感覚を上手にコントロールする方法

update:2007.5.24

前回、“心理的な時間”についてご紹介しました。人にはそれぞれ、時計が刻む“物理的な時間”とは別に、個人特有の時間感覚が備わっています。代謝の状態によって速さが決まる“心理的な時間”もそのひとつですが、個人の時間感覚は心の状態とも深く関わっていることがわかっています。たとえば、うつ気味の人は時間がなかなか経過しないという感覚になりやすく、反対に躁状態の人は、時間があっという間に過ぎていくような感覚を味わうといわれているのです。

そしてまた別に、生まれながらにして持ち合わせた時間感覚である「精神テンポ」というものもあります。

これは、その人の話す速度や歩く速度、食べる速度などに共通している時間感覚のことで、この「精神テンポ」の速度は生まれつきのものといわれています。このように、個人の時間感覚にはさまざまなものがあるため、時間に対する価値観とは人それぞれ。とはいえ、時間に対して極端に神経質だったりルーズだったり、行動のテンポが大きくずれていたり、間合いの感覚が合わなかったりすると、コミュニケーション上のストレスや衝突の原因にもなりかねないものです。

そこで、この時間感覚の差をある程度解消する方法をご紹介。それは、同じ映像を見たり、同じ音楽を聴いたりすることです。脳に備わっている時間感覚の個人差は、同じものを見たり聴いたりし続けることによってだんだんと似通ってくることがわかってきています。家族で、もしくは職場で同じ音楽を聴き続けていれば、時間感覚のズレから生じるストレスを回避することができるかもしれません。

時間感覚といえば、時間に正確な人とルーズな人とがいます。時間に正確な人とは、“最悪これくらい時間がかかるかも”というスタンスで時間を測れる人。一方、ルーズな人とは“うまく行けばこれぐらいの時間ですむ”というスタンスで時間を測ってしまう楽観主義者が多いのです。時間に遅れがちな人は、自分のベストタイムではなく、ワーストタイムを想定して行動してみてください。“物理的な時間”をうまくマネジメントできるようになるため、“心理的な時間”もより豊かになることでしょう。

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