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仕事においてもっともストレスを感じる場面・・・それは、上司や取引先の怒りに直面したときではないでしょうか。怒りを鎮めるためにはひたすら謝るのが得策、と考えられがちですが、本当に必要なのは許しを乞うことではなくお互いの気持ちのズレを解消すること。気持ちのズレを取り除くために大切なのは、心を通じ合わせることにほかなりません。
NLP(神経言語プログラム)の理論では、心を通じ合わせることを「ラポールを築く」といいます。「ラポール」とはフランス語で“橋を架ける”という意味。自分の心と相手の心に「ラポール」を築くことによって、心が打ち解け、相手の怒りが自然とゆるむのです。
「ラポール」を築くためには、大きく3つの方法があります。ひとつめは「ペース&リード」。これは、最初は相手のペースにあわせておき、徐々に自分が主導権を握っていく心理術です。たとえば取引先に「こないだ納品してもらった商品にクレームが出て、徹夜で対応に追われて大変だよ!」と怒鳴られたとしたら、「徹夜で対応されているのですか!? 大変なご苦労をおかけしてしまって・・・お体は大丈夫ですか!?」と、相手の感情の高ぶりにこちらのトーンを合わせてみる。すると相手は自分の苦労が理解されたと感じ、「体はとりあえず大丈夫だけれど・・・」と冷静になりはじめます。このようにしばらくは相手のペースに合わせていけば、やがて相手の怒りは収まってくるもの。そうしたら「3日以内に代わりの商品をご用意いたします」と解決策を提案し、相手をリードしていくのです。すると取引先からも、 “この人はミスをしてもしっかりカバーしてくれる。信頼できるな”と思われ、「ラポール」を築いてもらえることに。
ふたつめの方法は「バックトラッキング」。これは、相手が話している内容をそのまま返すという手法で、たとえば上司に「この見積書、数字が間違いだらけじゃないか!」と怒られたなら、「数字に間違いがありましたか? すみませんでした」と、相手の言葉をくり返す。それだけで上司は“こいつはとりあえず自分の話を聞いているな”と思うものなのです。これもまた、自分の考えが相手に伝わったという「ラポール」につながっていきます。
3つめの方法は「ミラーリング」。これは相手の動作に合わせて、鏡のように同じ動作を行うもの。相手の身振り手振りをさりげなく真似することで、意識のペースがかみ合いやすくなり、無意識のうちに「ラポール」を築くことができるのです。
怒らせてはいけない相手を怒らせてしまったときは、頭を下げるばかりではなく「ラポール」を築いてみる。すると、あなた自身の評判を落とすことなく和解へと導けるでしょう。