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仕事とは不思議なもので、忙しいときに限って依頼が重なりがち。できることなら引き受けたいけれど、どうしても手が回らないためにやむなく依頼を断らなければならないという場面、多くの人が経験しているのではないでしょうか。
問題はどうやって仕事の依頼を断るかです。たとえば上司に何かを頼まれたときに、「今忙しいんですけど、それって急ぎですか?」などといい放てば、“こいつは俺の仕事をあまり重要じゃないと思っているな”と思われてしまい、そのうち「あいつには仕事を頼みにくい」「気持ちよく引き受けてくれない」などといった評価を下されてしまいかねません。こうした場合で大切なのは、いかにして相手の自尊心を傷つけることなく上手に断りを入れるか、ということなのです。
相手の自尊心を傷つけない会話法に「条件付き賛成話法」というものがあります。これは、相手の話に条件付きで同意することによって、相手の気分を害することなく依頼を断ったり、意見を否定したりできる心理テクニック。たとえば極めて多忙な時期に、クライアントから面倒な仕事を依頼されたとします。そのときに「今はスケジュールが立て込んでいるためにお受けすることができません。申し訳ございません」と伝えるのと、「大変興味深いお仕事だと存じます。もし納期に関して、もう2週間ほどご猶予をいただけるのであれば、ぜひともお受けしたいと存じます」といわれるのでは、当然後者のほうが好印象。納期を2週間も延ばすなど難しい相談だとわかっているわけですが、そうした条件を提示した上で依頼を受けたいという意思を伝えれば、“今は忙しくて仕事を受けられない”という事実が、相手の面目をつぶすことなく、そしてあなた自身の評価を下げることなく上手に伝えられるというわけです。
断る、否定するといったネガティブコミュニケーションは、たいていの場合、条件付き賛成話法を活用することで、ポジティブな表現に置き換えることが可能。ビジネスメールにおいても、「仕事の量が多すぎてできない」は「できるだけやるけれど協力してもらえると助かる」に。「難しくてできない」は「チャレンジしがいがあるけれど可能なら知恵を借りたい」といったふうに、条件付き賛成話法を使って、ネガティブな表現を極力排除するよう意識しましょう。そうすれば周囲からの評判を落とすことなく、あなた自身の都合を上手に優先させることができるのです。