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前回からスタートした短期連載「脳科学から見た親子の関係」。
第2回目は「抱きしめホルモンと子育てホルモン」と題し、女性が母親になるとなぜ強くなるのかについてご紹介したいと思います。
出産直前から直後の女性の体内には、「オキシトシン」というホルモンが大量に分泌されています。このホルモンは古くから子宮を収縮させて陣痛を促進させる役割を持っていることがわかっているのですが、最近ではそれ以外の役割として“抱きしめホルモン”としての作用も持っていることが明らかになってきました。
母親の体は出産を経ると、「オキシトシン」の作用によって母乳の分泌が促進されます。そして同時に「オキシトシン」によって、精神状態が落ち着き、子どもを抱きしめたり、なでたり、ほおずりしたりしたくなるのだそう。これが“抱きしめホルモン”と呼ばれる理由です。さらに「オキシトシン」には、母親のストレスを和らげる効果もあるのだとか。データ上でも、母乳を与えている母親の体内ストレスホルモン量は、母乳を与えていない女性の半分しかないことがわかっています。女性の脳は、出産と授乳を経ることによってストレスに強い状態へと変化していくわけなのです。
母乳の分泌を促進するホルモンには「プロラクチン」というものもあります。これは別名“子育てホルモン”と呼ばれるもの。乳児が母乳を吸うほどに母親の脳にサインが送られ、「プロラクチン」の分泌量が高まっていくのですが、その分泌量が高まることによって、母親の恐怖心や不安が抑制される効果もあるのだそうです。この“子育てホルモン”の作用によって、万が一のときでも母親が自分自身の危険を顧みずに子どもを守ろうとしたり、堂々とした態度を取ったりできるようになると考えられています。
子どもとの触れ合いや絆を生み出し、同時にストレスを抑える「オキシトシン」、そして子どもを勇敢に守るために恐怖心を拭い去る「プロラクチン」。妊娠、出産、育児という体の変化に伴って分泌される“抱きしめホルモン”と“子育てホルモン”によって、女性の脳は強くて優しい母親脳へと生まれ変われるわけなのです。