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世の中には「ひらめき型」といわれる人がいます。何か討論をしていて、その場にいる人の多くが堂々巡りの議論に飲み込まれていくなかで、ただひとり目の覚めるような名案を思いつき、周囲をアッといわせてしまう。こんなひらめきの持ち主は、天才型のようにも思われています。
しかし“ひらめき”とは、本当に天才と呼ばれる人にだけ起こるものなのでしょうか? 持って生まれた資質に左右される能力なのでしょうか? いえ、違います。“ひらめき”に大切なのは資質ではなく、思考において4つのプロセスを踏むことなのだといわれているのです。
その最初の思考プロセスは、ショックを受けること。困難な課題に直面した際に、「なんて難しい問題なんだろう」と、動揺するプロセスが大切なのだそうです。そして2つめの思考プロセスは、その困難な課題をどうにか解決しようと熟考すること。抗いようのない壁に突き当たるまで、考えに考え抜
かなければなりません。
3つめの思考プロセスは、考えても解決法が見出せなかったその課題について、考えるのを止める、もしくは放棄することです。ああでもない、こうでもないと考え抜いた思考を、いったん脳の奥にしまって発酵させるのです。このとき、2つめのプロセスまでで熟考された思考は消えるわけではなく、脳内に潜伏した状態になり、時間の経過とともに熟成されていきます。
そして4つめの思考プロセスは、脳内に潜伏していた思考に対して、新たな価値を見出すこと。私たちの視点は、日常の何気ない出来事をきっかけにガラリと転換することがよくあります。なんでもない言葉を耳にしたり、どうということのない風景を目にしたときに、不意に新しい視点を手に入れる。すると潜伏中だった思考が、新しい見解とともに突如として浮かび上がってきます。これこそが“ひらめき”に他なりません。
つまり“ひらめき”とは、何もないところに湧いて出てくるものではなく、脳内に潜む熟考した思考がネタとなり、それが何かのタイミングで変換されて出てくるもの。ひらめき型の人間を目指すなら、知識をつめこむばかりのウンチク王を目指すよりも、真っ白な心で物事を見つめ、そこに疑問を見出し、答えを探そうと考え抜くことが大切なのです。