脳と心のエトセトラ

vol.15 人間とコンピュータがお互いの脳を育て合う?!

update:2006.11.17

近ごろの人工知能の技術はめざましいものがあります。人間と同じような動作をしたり、簡単な会話ができたりするロボットも登場していますし、私たちの生活を取り巻く家電に、人工知能が搭載される日が来るのも、決して遠くない気がします。

そうした人工知能の分野に関連する技術で、「ニューラル・プロステティクス」というものがあるのをご存知でしょうか。日本語では「神経補綴学(しんけいほていがく)」と呼ばれるのですが、これは人間の脳とコンピュータを直接つないで、人間の意志でコンピュータを操作するという、驚きの技術なのです。

まだ研究段階の技術のようですが、医療の分野でいくつか実例があるそうです。そのひとつが、手足が不自由な男性の脳内に小さな電極を埋め込み、そこから接続されたロボットの手を動かすというものです。男性が手足を動かそうと意識したときに起こる脳内神経の活動をコンピュータで信号化し、ロボットの手を動かすという理論なのですが、やはり最初からうまくはいきません。数ヶ月かけ、男性自身がさまざまな意識の仕方を試みていくうちに、だんだんとコンピュータが反応するようになったのだそうです。その間、男性の脳はこの操作に適応しようとして学習し、成長していったことが推測できます。

また、コンピュータのほうも、男性の脳内から送られる信号に対して的確に反応できるように修正をかけていきました。つまり、人間の脳の活動に適応できるよう、コンピュータの脳も成長していったというわけです。このように「ニューラル・プロステティクス」とは、人間の脳とコンピュータの脳が相乗的に発達し合いながら融合する技術だともいえるのです。

もし、この「ニューラル・プロステティクス」が私たちの生活に普及する日がくるのなら、そのときは“考えるだけで走り出すローラースケート型の車” や、“文字を思い浮かべただけで入力できるパソコン”などが登場するのかもしれませんね?

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