脳と心のエトセトラ

vol.12 もしW杯に“サムライレッド”で出場していたら…

update:2006.10.26

つい先日、日本サッカー協会がドイツW杯の敗戦理由に関する分析結果を発表しました。守備の意識を変える、技術認識を変える、といった内容に触れられていたようですが、もしかしたらこんな敗戦理由も付け足せるかもしれません。「ユニフォームが青かったから」と…?

ある進化人類学者の研究によると、レスリングのように選手のウエアを赤と青に分けて対戦させる格闘技の場合、赤いウエアをまとった選手の勝率が 10%ほど高まることがわかったそうです。

さらにサッカーの場合でも、赤いユニフォームとそれ以外の色のユニフォームを、ホームとアウェイで使い分けている5つの欧州サッカークラブを分析したところ、赤いユニフォームで戦った試合のほうが得点率が高いという結果が得られたのだとか。しかしなぜ、ユニフォームの色の違いが、試合結果に差をもたらすのでしょうか。

たとえば、赤という色の持つ波長には、興奮を促す生理的作用があります。赤い色を見ているうちに、わずかですが体温が上がることもわかっていますし、食欲が増進されることもわかっています。一方、青い色には鎮静を促し、体温を下げたり、食欲を減退させたりする生理的作用があると認められています。

そもそも色とは、光の波長の違いが生み出すもの。ある物体に反射した光を脳が感知した際に、その波長の違いに応じて物体の色を見分けているのです。光や電波が持つ波長のとは、体に何かしらの生理的な変化をもたらします。よって、“違う色を見る”ということは、“脳が異なる光の波長を感知する” ことになり、そこで異なる生理的作用を受けていることになるわけなのです。

色のもたらす効果には諸説ありますが、先に紹介した進化人類学者の分析結果も、こうした色の生理的作用につながるものなのです。

青いユニフォームのサッカー代表チームといえば、イタリア代表も思い浮かびます。血の気の多い民族性の彼らには、鎮静効果のある青いユニフォームがちょうどよかったのかもしれませんが、ややおとなしい? とも思える日本人には、“サムライブルー”ではなく“サムライレッド”がふさわしいのかもしれません。

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