ライフラーニングセンター:コラム

第69回 足達大和 エッセイ

2007.1.24

■ 第2回 「もうひとつの成功」     

今回は、女の子と鏡のお話です。

来年小学校にあがる女の子がいました。


お父さんが転勤のため、引越しの準備をしていました。
いつも使っているものをダンボールに入れていたとき、
お気に入りの「鏡」を手にしました。


もうすぐ、小学生になる彼女は、
学校がどんなものか少し不安でしたが、
いつもどおり、その鏡をみていると、その鏡から声が聞こえました。


「何をそんなに不安そうな顔してるの?」
彼女はびっくりしましたが、大好きな鏡でしたので
正直に胸のうちを話しました。


「小学校がどんなところか不安なの?鏡さん、どんな楽しいことがあるの?」


鏡はやさしい声で答えました。
「お絵書きがもっとうまくなったり、みんなとドッチボールができたり、
文字を覚えたりして、いっぱい本が読めたりできるよ」


女の子は想像してみました。そこで鏡はこういいました。
「でも、行ってみないとあなたにとって、何が楽しいことかはわからないわ」
女の子は考えました。


そして、
「ねぇ、鏡さん、小学校が終わったら、
今度は中学校があるんだけど何が楽しいの?」


鏡は答えました。
「体が大きくなって、いろんなスポーツができたり、他の国の人たちと
お話ができる言葉を勉強したり、好きな人ができたり、いろいろあるわよ」


また、女の子は想像してみました。
そんな彼女を見て、鏡はこういいました。
「でも、行ってみないとあなたにとって、何が楽しいことかはわからないわ」


女の子は考えましたが、時間がすぎ、
荷物を車に乗せる時間になったので、
鏡をダンボールの中にしまいました。


春、夏、秋、冬と
いくつも季節がめぐり、その女の子も少し大人になって、
一人暮らしを始めるようになりました。


新しく始まる人生に、期待もありましたが、
不安もありました。


引越しの準備をするために、ダンボールの整理をしていたとき、
幼いときに見ていたあの「鏡」が出てきました。


鏡を両手に取ったそのとき、
幼いあのときのように鏡が語りかけてきました。


「何をそんなに不安そうな顔してるの?」
鏡が優しくきいてきました。


その女性は当時のことを思い出して、
胸のうちを話しました。


「人生にはどんな楽しいことがあるの?」


鏡は答えます。
「お金を稼いで欲しいものを手に入れたり、関心があることを探求したり、
自分の創造性を表現したり、大切な人から愛されたり、いろいろあるわよ」


女の子は想像してみました。
そこで鏡はこういいました。


「でも、体験しないとあなたにとって、何が楽しいことかはわからないわ
その言葉を聞いて、その女性の中にあるヒラメキが生まれました。


その後、彼女はそのヒラメキを胸に、
幸せに、そしてたくさんの人たちと
喜びを分かち合いながら過ごしたそうです。


その気になるヒラメキですが、
そのヒラメキとは、
「体験しないと何もわからない、行動しなきゃ!」
でした。


考えるより、動くことで、
人生の素晴らしさを味わえるのかも知れません。


勇気を出して、体験して、
人生を味わい尽くしましょう!


足達大和

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