ライフラーニングセンター:コラム

第150回 村上理奈 エッセイ

2008.8.13

■今週の素敵な言葉

『今、私たちは、生き抜いてくれた人たちに
    “ありがとう”と心の底から言いたいです』

     広島原爆記念式典 「平和への誓い」
       こども代表 今井穂花さんと本堂壮太君の言葉


明日、日本は63回目の終戦記念日を迎えます。


そこで、今回の「ステキな言葉」は、
8月6日の広島原爆の日に、こども代表から世界に発信されたメッセージ「平和への誓い」からの一文をお届けします。

終戦を迎えた63年前の8月15日から、私たちの祖父母や両親たちは、どんなに苦しくつらい気持ちの時でも生きる希望を持ち続け、復興に力を注いできました。


多くの尊い命の犠牲があった事実を受け止め、亡くなった方々のためにも自分が生き続けるんだ、という強い信念に支えられながら、焼け野原になった街をつくり直してきてくれたんだと思います。


そのたくさんの人々のおかげで、現在の日本は、自然も豊かでたくさんの笑顔があふれる、とても平和な国となりました。


両親が亡くなる、祖父母が亡くなる、愛するわが子が亡くなる、兄弟がいなくなる、友がいなくなる、身内がだれもいなくなる・・・。
いくら悲しくても、つらくても、すべてお国のため・・・。
私のような戦争体験のない者にとっては、想像を絶する現実です。


空襲を体験した私の祖母は言います。
「あのときは私ら一回死んだ、そんな気持ちなんよ。もういっぺん、命をもらった気持ちよ」


世界を見渡すと、今でも核兵器があちこちに存在し、戦争やテロなどが絶えず起こり、多くの人々が銃弾や地雷に倒れ、命を失っています。


また、私たちの身近なところでも、いじめや争いが多くの人の心や体を壊し続けています。
無差別に人を刺していく事件、子どもたちが命を奪われたり、傷つけられたりする事件、暴力事件やいじめもなくなりません。


戦争、争い、いじめ、暴力・・・。
これらを起こすのは、まぎれもなく、私たち人間、私たちの心です。


私たちは、戦争をくぐり抜け、生き続けてきた人たちに何ができるでしょうか。
本当に平和な世界を築くためには、私たちは今、何をしなければならないのでしょうか。


大きなことはすぐには難しくても、
一人ひとりが、まずは命を大切にする心、相手を思いやる心を持ち、その想いをふくらませていくこと、そこからすべてが始まるのではないかと思いませんか。


そして、「憎しみ」「悲しみ」が心に湧いてきたら、その連鎖を自分のところで断ち切る「強さ」や「優しさ」や「勇気」を、一人ひとりが持つことも大切だと感じています。


さらに、文化や歴史の違いを超えて、相手のことを知り、その違いを理解し、世界中の人々がお互いを認め合う。暴力で解決するのではなく、話し合いで解決していく。


こういった気持ちで生きることが、私たちにできる一歩ではないでしょうか。
戦後を生き続けて私たちに命をつないでくれた祖父母や両親からの命の連鎖への深い感謝と共に、その気持ちを広げ、積み重ねていくことこそが平和につながっていくのだと感じます。


自分発信で平和を創りだす想いを持ち続け、63年前に命を落としていった多くのご先祖の想いも一緒に、精一杯自分の人生を生きていきたい・・・


戦争を知らず、物も豊かな時代に生まれ育った広島生まれの私は、原子爆弾で亡くなっていった親族の気持ちを想い、8月を迎えると、毎年そのように感じるのです。


村上理奈

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<広島原爆忌> こども代表 「平和への誓い」(全文)


昭和20年(1945年)8月6日午前8時15分。


突然のするどい閃光(せんこう)と爆風で、数え切れない多くの尊い命が失われました。
あの日、建物疎開や工場で働くために出かけていった子どもたちは、63年たった今も帰りません。「いってきます。」と出かけ、「ただいま。」と帰ってくる。原爆は、こんな当たり前の毎日を一瞬で奪いました。


原爆は、やっと生き残った人たちも苦しめます。
放射線の影響で突然病に倒れる人。
あの日のことを「思い出したくない」と心を閉ざす人。
大切な家族や友人を亡くし、「わしは、生きとってもええんじゃろうか?」と苦しむ人。


でも、生き抜いてくれた人たちがいてくれたからこそ、私たちまで命が続いています。平和な街を築き上げてくれたからこそ、私たちの命があるのです。
今、私たちは、生き抜いてくれた人たちに「ありがとう」と心の底から言いたいです。


忘れてはならない原爆の記憶や、核兵器に対する怒りは、年々人々の心から薄れていると思います。しかし、人の命を奪う戦争や暴力は、遠い過去のことではありません。


この瞬間にも、領土の取り合い、宗教の違いなどによる争いによって、小さい子どもや大人、私たちと年齢の変わらない子どもたちの命が奪われています。
失われた命の重さを思う時、何も知らなくて平和は語れません。


事実を知る人がいなくなれば、また同じ過ちがくり返され、戦争で傷つき、命を失った人たちの願いは、かき消されてしまいます。だから、私たちは、大きくなった時、平和な世界にできるよう、ヒロシマで起きた事実に学び、知り、考え、そして、そのことをたくさんの人に伝えていくことから始めます。


また、私たちは、世界の人々に、平和記念式典が行われ、深い祈りの中にある広島に来てほしいと思っています。ヒロシマのこと、戦争のことを知り、平和の大切さを肌で感じてほしいのです。
そして今こそ、平和を願う子どもたちの声に耳をかたむけてほしいのです。


みなさん、見ていて下さい。
私たちは、原爆や戦争の事実に学びます。
私たちは、次の世代の人たちに、ヒロシマの心を伝えます。
そして、世界の人々に、平和のメッセージを伝えることを誓います。


平成20年(2008年)8月6日
こども代表
広島市立幟町小学校6年 今井穂花
広島市立吉島東小学校6年 本堂壮太


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